人気ブログランキング | 話題のタグを見る
SHOKUKANKEN.Blog
食環境衛生研究所 の従業員が書き込むブログです

(株)食環境衛生研究所のブログです。
by shokukantaro
カテゴリ
以前の記事
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 06月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 10月
2005年 09月
フォロー中のブログ
密かに進行中?-見直してみよう!コクシジウム感染症-
近年は飼料代金の高騰、ワクチン関係の充実、ポジティブリスト制度等の関係も有り、農場での薬剤の使用量が減少して来ています。又、薬剤を使用して絶大な効果があった以前とは異なり、病原性の強いウイルスや薬剤耐性を持った細菌群等による複合感染症の出現も、養豚現場での薬剤の効果を鈍らせて、薬剤に頼っていた養豚業界の再編を後押ししているものと思います。
安心、安全な豚肉を生産する上で、なるべく薬剤に頼らない養豚経営を目指す事は大変良い事なのですが、近頃は薬剤を使用する時は無造作且つ無神経に使用し、薬剤を中止する時には考えなしに行う農場が見られる事に、一抹の不安を感じています。

さて、この事も有り、私は各地の農場へ伺っていて思う事があります。
飼養母豚数の増加や畜舎設備の老朽化、管理者の高齢化、使用飼料の能力減、使用水の水質悪化、使用敷材の不衛生化等によるものなのかは明確でありませんが、今まではたいして何も気にもしなかった疾病群の感染が増加しているのでは?と感じています。

今回はその中の一部の事例を紹介しようと思います。

皆さんの農場で中々治癒出来ない、下痢症状、衰弱症状、関節炎症状、又はそれらが伴う死亡事故等の発生は無いでしょうか。もし当てはまる症状がある場合については、コクシジウム感染症の存在も疑って見て下さい。
このコクシジウム感染症には、アイメリア属(Eimeria)9種、イソスポラ属(Isospora)3種、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)2種が存在します。

Isospora suisは哺乳子豚に重篤な下痢を起こす病原体で、その発生は生後5~14日目(近年は3日目での発生報告もある)にほぼ限定されます。

Eimeriaは離乳直後の子豚に多く発生し、下痢症状やカタル性腸炎等が認められます。

Cryptosporidiumは、豚での発病はまれで、哺乳類に共通に感染する2種類によって下痢症状が発生することが発見され、人畜共通感染病として注目されています。

コクシジウムに感染、発症すると、体力.抵抗力が著しく失われ、他の疾病との混合感染を助長し、様々な合併症を引き起こしやすくなります。
最も相性が良いものとすれば、豚の下痢症や出荷遅延、腸廃棄等に関与するクロストリジウム感染症が知られています。

クロストリジウムは常在細菌の部類に入り、常に腸管にいてストレスや条件が重なる時に異常に増殖し、発病します。
どちらにしても昔はサルファ剤等の薬剤によるコクシジウム感染症の予防や治療がなされていましたが、今はほとんどの農場でこの手の薬剤の利用は見かけなくなっています。又、他にコクシジウムが増加した要因としては、長年に渡る敷地内(土壌中)での増殖、オガ屑等の敷材中への混在や繁殖、地下水への混入(汚染)も、農場でのコクシジウム感染症の発生を助長していると思います。

今までの常識や、事故が起こっている場所のみに囚われず、広い視野と知見で事故原因をさぐる努力をする事は、農場側や私たち指導する側の両方で必要になる事と思います。

畜産豚病気鶏病気牛病気
飼料分析肥料分析検便検査PCV2・サーコウイルスPRRSウイルス
by shokukantaro | 2009-12-17 07:32 | 畜産
<< 食中毒とその防止について サーコワクチンの現状レポート、... >>