「体
脂肪が気になる方に」「脂肪を吸収しにくくする」
こんなキャッチコピーで売られている「お茶系ダイエット飲料」、
皆さんも一度は飲んだことがあるのでは?
有名どころは「ヘ○シア緑茶」と「黒○龍茶」でしょうか?
高橋教授の講義でそういったお茶の話題が出ていたので、
私も独自に調べてみました。
今回は「ヘ○シア緑茶」について、
この商品は「高濃度茶カテキン」により「体
脂肪を燃焼させる」ことを
売りにしています。商品説明については某企業のWebサイトをご覧下さい。
その中Webサイトの中の情報に、
科学者として少し気になるデータがあります。
それは、効果の根拠となるデータにおける被験者の「人数」と「対象」。
つまり、効果があるかどうかを調べるために、実際に試験飲用してみた
「人数」と「どんな人を対象」に
臨床試験を行ったかということです。
食事の
脂肪燃焼効果に関するデータの「被験者(=N)」は
「12人」
私も医学系の
臨床試験に詳しいわけではないので何とも言えないのですが、
「上記の12人には効果がありました。なので、
日本国民1億人以上にも同様の効果があります。」
というのは乱暴すぎではないでしょうか?
お腹の
脂肪が落ちたという根拠のデータについては、
被験者が
全員「軽度肥満者」という・・・。
まぁ、肥満でお腹の面積が広い人なら、
少しの努力でもわかりやすい結果が出るのでしょうが、
実際に購買をしているのは20代女性の
さほど肥満体質でない人が多いことを見ると、
一般的な体型の人にはどれだけの効果が期待できるのか疑問です。
ここからはあくまで個人的な考察ですが、
このお茶のダイエット効果の原理はその「味」にあると考えます。
飲んだことがある方はおわかりのよう、この商品、
意外と濃いめで苦みが残るような味となっています。
舌で感じる苦みというのは実は「毒劇物」のシグナルで
動物は本能的に苦い物は食べられないものとして認識しているそうです。
(「苦みを愉しむことができるのは人間だけ」という言葉もあります)
この苦みによる食欲減退と、水分による満腹感により、
一定のダイエット効果を得ているのではと推測しています。
ここまで言っておいて逆説のようですが、
私はこの商品は効果が無いから飲むなと言いたいわけではありません。
たとえ12人でも
臨床試験で効果があったことは事実。
人によっては絶大な効果がある製品かもしれません。
ここで販売する会社を責めるのはお門違いです。
ただ、企業が謳う販売文句をそのまま鵜呑みにして過大評価し、
これさえ飲めばどんなに食べても、運動なしでも
健康的な生活ができるぞと、勘違いしてしまう、
消費者にも責任があるということこそ言いたい。
消費者がこういった科学的な目線から、自分の口に入れる物を
自己判断できるような知識・経験の蓄積が大事なのではと思います。
消費者のシビアな目線と、その期待に応えようとする企業努力こそが、
将来の優良商品の開発、日本の技術力向上につながるのでは・・
と、私は信じています。
( Analyst 22 )
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